沼山大根かかえて いぶりがっこうへ行こう

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沼山大根

沼山大根

沼山大根@t-farm

かつて、横手市山内に近い沼山地区に沼山大根という大根が栽培されていました。今では珍しい、その地で種採りがなされていた地大根=固定種=在来作物のひとつです。

すでに採種する農家もいなくなってしまったこの『幻の大根=沼山大根』を仲間たちと復活させる取り組みをはじめました。


きっかけは、種子交換会(https://www.facebook.com/groups/225188208022485/)というグループで固定種の種を交換し合い、種のありがたさを伝えたいという仲間との情報交換でした。

(種子交換会の話をすると長くなりそうなので、またの機会にします。)

昨年、種採り農家仲間と農業試験場を訪れた際にはじめてこの幻の大根を目にしました。ビビッドな青首が極めて美しい大根でした。

この幻の大根は、かつて横手・山内地区で育てられていた在来種でしたが、すでに沼山地区では継承不能となってしまったそうです。かろうじて完全に途絶える前に農業試験場の方で種を保存し、継ないできたとのこと。

「種は、毎年採り続けなければ保存できない」という試験場の技術者さんの言葉が印象的でした。

もし、こうした種を分けていただくことができるのなら、時間はかかるかもしれないけれど、若い農家仲間や食べ手の方々と「ヒューマン」で継承したい。

例えば、だだ茶豆。これは山形県・庄内地方で固定化され継承されてきた枝豆ですが、この地域を離れたときには「本来の」だだちゃ豆ではなくなるだろうと思います。その地域風土に合った品種が別の地で別の作物に変わっていく。

同質継承の固定種という概念からは外れてしまうかもしれませんが、新たな地で新しい品種としての花を咲かせ次世代に継承していく。これもまた大いなるドラマであり、地球という限られた球体の中での宿命であるとも言えます。

そんなドラマティックな大根の継承を仲間と力を合わせて取り組んでみたい。そこで考えたのが、この「幻の大根のいぶりがっこ」です。

秋田県農業振興普及課を通じて譲っていただいた沼山大根の種をまいて、「いぶりがっこう」の@三春 西宮 (西宮三春)さんたちに学ぶ、『幻のいぶりがっこ』づくりがいよいよはじまります。

http://taberutimes.com/posts/16636

※論文「秋田県におけるダイコン地方品種の育成とそれに関わる諸形質の遺伝・育種学的研究 」(椿 信一・2015年3月)より
https://www.pref.akita.lg.jp/…/archive_0000008683_…/56-1.pdf

⚫︎沼山大根
本品種は、本論文が初めての公的な記録となる品種
である。現在、農業試験場に種子が保存されているだ けで栽培者はいない。かつては近隣の山内地区でも、 ‘板井沢青頭(かしら)’といわれる類似の青首ダイコン が栽培されていた(永沢、2010)とされるが、こちら は既に途絶えている。抽根部が緑色に着色する地方品 種は、本品種以外では長野県の地ダイコン群(大井ら、 2011)と‘京都青味’(西山ら、1958)が知られている 程度と、極めて少なく貴重である。本品種は肉質が硬 く、根部乾物率が高く、漬物用に栽培されてきたこと から、青首を生かした漬物としての利用が考えられた。