たそがれ手前味噌ワークショップ

マザー食堂さんの手前味噌づくりのワークショップ

味噌づくりも後半戦を迎えていますが、今日は毎年恒例となっているマザー食堂さんでの手前味噌ワークショップへ出張に。

去年あたりから手前味噌をつくる!という方がグンと増えている印象は持っていましたが、今回はなんと10組を超える参加者の方々にお集まりいただきました。みなさん、背中に赤子を背負いながらの味噌仕込み。たそがれでは見慣れた光景でしたが、いよいよ広く周知されてきた実感があり、嬉しく思いました。


たそがれ手前味噌ワークの特徴は、原材料の大豆、米麹ともに無農薬・無化学肥料栽培である点。塩はそれぞれのお好みのものを選んできてもらいます。それと何と言っても、大豆を煮る工程を各自に体験していただくところにあると思います。

もし煮大豆と米麹と塩が揃っていたらあとは混ぜるだけという大変味気ないものになってしまいそうなので、あえて一手間かけてもらうことに主眼を置いています。

そうなるとみなさんが前日か直前に煮た大豆と煮汁を持ってくることになるわけですが、煮え方が半分だったり、水がなくなって焦がしてしまったりと微妙に違いが現れたりします。少量なので圧力鍋で煮てきたという方の大豆は少し黒っぽかったり、でもそれが旨味だったりと体験を交わすことになります。

たそがれでは大豆生産に5年以上関わって、また販売・展開するなかで、大豆という食材の身近さが問題だと考えてきました。和食を代表する味噌、醤油、納豆、もやし、豆腐、豆乳などなど大豆はすべて加工食品として食卓にあがるので、そのものを調理するという感覚がなかなか生まれません。そもそも発酵というプロセスを経なければ生物毒が抜けないという点もあるかと思います。

そのなかで大豆という食材をもっと身近に感じていただけるように、そして味噌も簡単に作れる身近な調味料として復活するようにと願っています。

黒大豆味噌の仕込みのために蒸す

さて、ワークショップの短い時間内で仕込める味噌の量は限られます。一回は一回なので量が多い少ないに関わらず、段取りと片付けしごとは同じように発生します。そのため、一回の仕込み量は可能な限り多く作った方が満足感があり効率的です。

たそがれ野育園では大豆栽培まで手掛けて手にしたマイ大豆をそれぞれの家庭のマイ味噌に仕上げていただくまでの体験ができますが、今回は近くの無農薬果樹農家さんのオファーで黒大豆味噌を仕込むことになりました。

噂には聞いていたのですが、黒大豆味噌、仕込むのははじめてです。今回は特別に煮るではなくて蒸してみました。蒸気でふっくらとぱんぱんに膨らんだ豆。もちろん食べてみます。美味〜でももうちょっとかな。と少しずつ豆を含みながら2時間ほど火にかけます。煮るよりも早く火が通った感じ。旨味成分がアクとして煮汁に溶出しない分、濃厚な味になるだろうと想像しました。

味噌用ミンサーですりつぶす

蒸している間に麹を塩切りし、次は潰します。
こんな道具使ってんのか!ずる〜い!とワークショップ参加者の方には言われそうですが…。そうです味噌専用大豆ミンサーの登場です。これがあれば、10kgの大豆でもわずか10分もあれば潰せます。言い訳ではないのですが、ワークショップでの仕込み量では量が少なすぎて歩留まりが悪く使用していません。参加者のみなさんがステップアップして1年分の味噌を仕込みたい。と思うようになったら是非お声がけくださいね。

塩きり麹と黒大豆を合わせます。黒豆独特のアントシアニンがなんとも言えず良い色に。


味噌団子


仕込み完成

夏を越したら樽上げして舐めてみてくださいね。楽しみです!