今季からはじめているキッチンファーム。練馬方式のような区画を仕切って、それぞれが個々に作物の栽培ができる市民農園のようにではなく、
参加者みんなで一枚の畑を手入れし、それぞれの自給野菜を手がけること。そんなファームシェアリングを思い描いてはじめた取り組みです。
参加者によってはそんなに畑に来ることができなかったり、遠方からの参加で収穫にしかこれなかったり、あるいは一度も参加できない方もいらっしゃるかもしれないけど、採れたものはみんなで山分けする。収穫に来れない方には、”ついでに配達する”。
CSAと呼ばれる”支援”型の農園コミュニティというよりは、もっと自発性や自立性を目指した創造型の農園コミュニティづくりだと考えています。家庭菜園でできない部分を補ったり、家庭菜園で活かせる技術の還元も期待できます。
皆が自分で食べる分だけの自給野菜を手がけていく。50人で20aの畑、100人になれば40a。1,000人になったら4町歩の畑を自給できることになります(笑)
そうすることで僕自身は種まき、植え付け、収穫などの手間を軽減でき、販売業務からも解放される。持続的な農の在り方だと思います。
さて、キッチンファームでは50品種を超える作物を育てていますが、今季のじゃがいもを時系列で見てみます。
米や大豆、小麦などの主食用作物をメインに、その次は貯蔵できる芋類を重要視しています。
馬鈴薯の場合は、4月に播種後、わずか3ヶ月ほどの短期間で収穫でき、しかも翌年春まで貯蔵が効くため、非常に自給力の強い作物だと言えます。おまけにその芋自体が種芋になります。
今季のメンバー20組で11本の畝に4品種の芋を植え付けました。種いもは昨年収穫した芋。畑への米ぬか散布、種芋のカット&日干し、植え付け、株間の中耕除草2回、それで600kgの収穫になりました。
1ヶ月ほど陰干し乾燥して、いよいよみんなで分け合います。うまく貯蔵して来春まで持たせられる技術を身につけてもらうところまでを目標とします。
こうした考え方を用いれば、販売用としては廃棄される小芋も一粒残らず有効利用されると思います。
このあと、大豆も各人に5kgほどの収穫がシェアできる見込みです。5kgの大豆があれば、1年分の味噌は自給できますね。
そして、ジャガイモの畑を片付けたあとは、大根やカブなどを播種。大根は 田口 康平 (Kouhei Taguchi)君や 遠山 桂太郎 (Keitalo Rodriguez Tooyama) さんたちと取り組んでいる 種子交換会 の沼山大根です。これで今年もいぶりがっこづくりまでを共にしたいと考えているところです。