種のはなし

種という生命体。

毎年の繰り返しで土に種を蒔いて収穫をして種を採ってを繰り返す度に、この存在の偉大さを学ぶ。

たそがれでは、米も麦も豆も野菜も可能な限り自分の畑で、秋田のこの地で育った種をリレーすることが重要なしごとだと考えています。

例えば小麦。5,6種ほど蒔いて、早生すぎず晩生すぎず、それなりに収量が採れるゆめかおりをベースに今は考えています。挽けば小麦粉に。

例えばとうもろこし。今は主流のF1の超スイート種ばかりだけど、原種に近いとうもろこしも深い味わいがあって美味しい。

ナスやトマトは収穫期のときから種取りの株を決めておいて、収穫せずに完熟果を実らせる

オクラはまるで一粒一粒がきちんと整頓された書棚に収まるように整列した壁の中に入っている。収穫後半の果実でも種取りが可能。

ズッキーニもナスと同じように完熟果を育てる必要があるので、食べ頃を見逃して大きく育てる。

里芋は切り口を傷めないように株ごと越冬させる

あまり乾燥させずにかといって甘やかしすぎずに適度な温度で。

豆も穀類。収穫と種取りが一緒。

大豆はあやこがねとりゅうほう。着色粒、虫食い粒は手選別。

小豆もおなじ。

馬鈴薯は寒さにあてないように密閉の室内で保存。冬中に2,3度芽欠き。

きゅうり。四葉きゅうりがこんなに大きくなってきたら種も熟す。

ほかにもすいかやねぎ、大根、人参、バジル、しそ、箒草やほうきもろこし、コリアンダーに綿などなど….。

たそがれ野育園キッチンファームではこのようにして、種のリレーも楽しみつつ学んでいただき、それをまた来年土にまいて育てることをやっていきます。

育てたい種。栽培したいものがあれば持ち込んでもらうのも嬉しいし、またその種取りを一緒に考えていきたいものです。

種はスパイラルリング。自然淘汰と環境適応と次元上昇を繰り返しゴールなき螺旋を描き続ける。私はこの生命リングこそ人類の生長モデルだろうと考えている。