昨秋11月、キッチンファームのメンバーといぶし小屋を建てて、スモークした沼山大根を3種の漬け床に漬け込みました。
(そのときの様子はコチラやコチラをこちらもごらんください。)
二ヶ月の時を経て、いよいよ樽上げ!
米麹漬けの様子。暖かい冬にもかかわらず、とっても綺麗な状態で漬け汁に浸かっているような状態で姿を現した大根。洗いながら早くも食べたいと叫ぶこどもたち。少し雪の残っている中でしたが良いお天気にめぐまれて久々の外仕事に心を洗われたような気持ちになりました。
次に登場したのはぬか漬け。ぬか漬けはキビ糖の有無2パーンで漬け込みました。キビ糖を加えたほうは若干量の水分がありましたが、無糖のほうはほぼ無水状態で糠塩の中から大根を掘り起こしました。
こちらはいつものようにたそがれ野育園キッチンファームのみんなとの作業となりました。こちらは雨のちらつく日でしたが、たちまち3樽の大根が綺麗になっていきました。
残っている水分を切ると同時に、大根内のガス抜きを兼ねて風乾。3日ほど室内でさらしました。
大根を種採りからやって(今年は8割以上がT-farmが採種したもの)、晩夏のまだ暑さもおさまらない時期に種を下ろし、間引き、土寄せ、また間引いて育てた大根を掘り起こして洗い、燻し小屋を組み上げて並べ燻し、また洗い、今度は漬け床に漬け置いてまたまた洗い…次の工程に進むたびにカットされて短くなる大根の端を見てはもったいなくてジップロックに入れて自家消費用にしていたら、冷蔵庫が大根の端切ればかりになってしまいました。
自分たちでやってみてはじめて、いぶりがっこってこんなに手がかかるんだ〜と次のステップにすすむごとに感嘆。
種を降ろす数日間の間合いやその年の天候、雨量。土の状態。大根の栽培そのものがまだはじまったばかりで目指すべき味になっているかどうかも判別しがたいのですが、それでも収穫し無駄にせずにこの完成形まで持ってこれたことは次につながる大いなる一歩だと感じています。
収穫の時期による大根の出来過ぎやス入りの判別(の感覚)、いぶし小屋の機密性、マキの乾燥状態や材質、香り、燃焼時間、温度、漬け床の塩加減、漬け置き期間の温度管理と時間。味に関わる要因が多岐にわたり、一年一作の範囲ですべてを最高クラスにすることは難しいにしても、ちょっとずつ味の変化や大根のできを味わいながら楽しんでいけたら最高です。
おまけに固定種だから大根それぞれの個体差が味の変化にもなる。合理主義に逆行する一本一本が違う個性のいぶりがっこ。そんな沼山いぶりがっこに仕上がりました。
最後の仕上げに袋詰めして真空封入したもの温湯消毒して発酵止め。
最後の最後に詰めの甘さがあったのか、加熱時間が長かったか、温度が高すぎたか…。薄切りにしたがっこは少し火の通った状態となって食感を損ねてしまったようです…。
それはとても残念な結果ですが、良い教訓となりました。
そんな深い思い入れたっぷりの沼山大根いぶりがっこ よかったら食べてみてくださいね。
たそがれ商店からお買い求めいただけます。