コミュニティ通貨 Tasso（仮）

2020年9月1日 2020年9月1日

兼ねてから、ミヒャエル・エンデの指摘にもあるように、お金という金融システムはこの社会の重大欠陥だと考えてきました。covid-19の影響を受けて、働き方も、生き方も、お金の価値も、環境の意味も替わろうとする世界情勢の中、既存の「マネー」の価値はこれからどう変動するか分からなくなってきたと思います。

もちろん、「マネー」があることで僕個人、あるいは家族、集落単位で考えても生産できないようなモノや圧倒的な技術の集合体が創り出した創造物と交換できるということは本当に稀有なことだと思います。

ただ問題は、通貨発行権を有するものが全ての富を一極化し、もう取り返しにつかないほどに貧富の格差をもたらしてしまったこと。たくさんの書籍でこうしたことは語られるようになってきましたが、詳しくは「エンデの遺言」などを読んでください。

昨夏、電子地域通貨eumo（ユーモ）を発行している新井和宏さんが我が家を訪ねてくれる機会をいただきました。

新井さんは長らく金融のお仕事をしてきたプロフェッショナルで、見事に現世の金融問題の指摘をされていました。そして印象に残っているのが、「貯めることのできないお金」を作る。ということでした。

貯められるお金だから問題があって、だから貯めることのできないお金を作りたい。貯められない（有効期限がある）から、使う。使いに行く。そして、良いモノやサービスを知り、人に伝えたくなる。ありがとう、感謝、リスペクトの連続とギフトする喜び。端的にいうとそんなイメージ。

詳しくは新井さんの書籍や、新井さんも紹介していた宇沢弘文さんの「社会的共通資本」を読んでみてください。新井さんは鎌倉投信と言う投資信託の会社もやっていて、本当に良いものを作る会社にしか投資しない。と言う筋金入りの社会改革を目指す人。本当に良い会社が生きていける社会になると良いと言うメッセージに共感しました。

もう一冊、紹介していただいたのが国分寺でクルミドコーヒーを営む影山さんの著書、「ぞく・ゆっくり、いそげ」影山さんの経営理念はとても参考になることが多く、△の社会を▽にしていくという末広がりな論理思考はこれからの社会にとって重要なことだろうと感じました。影山さんは国分寺界隈で「Bunji」という地域通貨を発行しています。

サティシュ・クマールのメッセージにもとても勇気づけられました。

食べ物は商品（commodity）ではない。
農業は金融的利益のために動機づけられるべきものではない。
農業の最終的な目的とは、土の健康を損なうことなく栄養ある食べ物を生み出し、人々に健康的な食を届けることである。
お金儲けのための農業は直接的にも間接的にも新型コロナウィルスの原因を引き起こす。

ここまで温めてきた地域通貨への想いがこの春先に再燃してきて、この十数年で秋田県内で様々なことを共有してきた信頼のおけるメンバーの賛同をいただくことができました。本式に紙幣を印刷して流通するまでは試験的な運用期間のため手書きの紙幣です。しかも（仮）。地域というと特定の限定されたエリアというニュアンスがあるため、コミュニティ通貨と呼びたいと思っています。

Tassoは、うちの農作業の協力の対価として発行されます。受け取った協力者は加盟するお店や農家さんで円と同様に買い物や食事券として使用することができます。入手した店舗同士での使用もできるし、最終的に必要とするお店に回って、うちの農産物と交換できる。

物々交換に「発見」の面白さやギフトすることの喜び、感謝の意思が付加されることで、それがビジュアライズされ、コミュニティ内の信頼構築を助ける役割を果たすことになろうかと思います。

いろいろ、書き綴りたい想いはあるのですが、まずは試験的に使用してみながら、様子を見てみましょうということになりました。

●コミュニティ通貨Tassoに加盟していただいているお店は下記の通り。お店が増えたらまたご案内させていただきますね。（2020年8月末現在）

・マザー食堂 savu.様

https://www.facebook.com/mothersyokudo/

https://www.instagram.com/mother_syokudo.savu/

・交点　様

https://www.kouten-akita.com

https://www.facebook.com/kouten.akita/

https://www.instagram.com/kouten_akita/

・トラットリア　チャオジージョ様

https://www.facebook.com/チャオ-ジージョ-699920040138030/