キッチンファームの収穫(豆編)

9月末から10月いっぱいまでは稲刈り→小麦播種→大豆収穫と刈入れのピークを迎えていました。秋田の短い夏はまたたく間に過ぎ去り、あっという間に畑は秋から冬の様相へとさまがわり。夏の終わり頃からのキッチンファームの様子を振り返ってみます。

枝豆の味がノッてくるのはちょうど稲刈りを迎える頃。枝豆は秋が深まれば深まるほど味の深み、甘味のある味になる気がしています。他の作物もそうですが、作物の寒さへの抵抗力が糖度へと変わる不思議があります。

キッチンファーム・枝豆の収穫
枝豆の最盛期を迎える頃の大豆・右(9月上)

左端が枝豆、右は大豆。見た目はほとんど変わりのない立ち姿ですが、枝豆の系統種の茶豆やみどり豆は甘味や香りが強いのが特徴です。ちょうど同じ頃の小豆が下の写真です。大豆に遅れて黄色い花が開花する頃。密植にしすぎた感じがします。

同じく9月上旬の小豆( 開花期)

市販の枝豆は肌がつるっとしていて、4粒も入っていたりしてびっくりしますが、農薬・化学肥料を使用しないうちの畑では、1〜2粒、まれに3粒で、ふさふさとした茶色い毛が特徴です。虫食いの粒もやはり多いのはなかなか攻略できませんが、収穫の際に、虫が入っていそうなのはそっとしてそのまま土に還すことにしています。多少の食害は豆まで行っていないので見極めが重要になります。

手がとまらなくなる秋の枝豆

稲刈りが片付く頃になると、ちょうど大豆の葉も落ち、カラカラと良い音がするようになります。秋田では秋が深まると雨がちな日が続くため、お天気とにらめっこ。稲は多少の雨でも稲刈りできますが、豆はサヤ自体が水分を含んでしまうため、刈り取りの勝負所がシビアです。

いまだ!と思って、みんなで刈入れをしようとした途端、雨に降られてしまったのでした。

それでも、刈ってしまった大豆はこのままに畑に放置しておくわけにもいかないので、雨の中をずぶ濡れになりながら束にして運びます。すぐに止むだろうと思った見立てが外れ、しっかり雨に打たれてしまいました。

この日来てくれた子どもたちは雨に打たれながらも、里芋の葉を傘にして頑張りました。吸水した大豆の束はずっしりと重く、台無しにしてしまったかなと疲労感に襲われましたが、このあと虹が出てその疲労感はすっかり綺麗に洗われてしまったのでした。

キッチンファームの他にも、マメミソクラスという大豆や小豆の栽培クラスを設けていて、マザー食堂savu.の麻美さんや川とパンとの桃子さん、つちとてのりかさんなどがそれぞれに思い思いの豆を手掛けています。

刈入れした大豆はハウス内で乾燥させ、少しずつ脱穀することに。

5畝以上の味噌用黄大豆の脱穀は想像以上に大変だろうと思っていたのですが、次の週末に他のメンバーが駆けつけてくれて、見事完了しました。

それぞれの工程を皆でリレーしながら、同じゴールに向かって、作業を重ねてゆくことの心地よさと言ったらありません。それぞれに様々な体験があったりして、それを共有しながら、収穫の喜びを醸成していく素晴らしい時の経過だと思いました。

園主も圧巻のみんなの収穫リレーで大豆を片付けた次に控えるのは、黒千石(極小黒)大豆、小豆、くらかけ豆、黒大豆、赤大豆、茶豆、みどり豆..。味噌用の黄大豆ほどたくさんではありませんが、それぞれ少しずつ刈入れを進めて行きました。

黒千石(極小黒)大豆
赤大豆と黒大豆
小豆も収穫期
小豆の収穫
軽トラに積み込んだ小豆
サヤから出てきた小豆

小豆の脱穀
桃子さんの小豆
黒大豆の脱穀
黒大豆の脱穀
小豆の唐箕選
小豆の唐箕選
くらかけ豆
出来上がった小豆
マメミソクラス松川家の脱穀
マメミソクラス松川家の脱穀
小豆の脱穀
唐箕
小豆

シルク・ドゥ・ソレイユのメンバーとして活躍した宮海彦さんもちょうど小豆の脱穀のタイミングで来てくれたので、だまこ鍋を食べてもらいました。

こうして、キッチンファームの春からの豆仕事はひと段落を迎え、冬の味噌しごとの準備が整い、次は里芋の収穫を迎えるのでした。